アスベスト相談室

石綿の事前調査結果の報告制度 ~ショートコラム⑨~

アスベストを吸い込んでしまうことが体内に悪影響を及ぼすことは以前のコラムでもご案内しました。

現在はアスベストを使用する製品の製造や使用は禁止されていますが、過去にアスベストを使用した建物等は今も多くあります。

建物の解体等の際にアスベストが飛び散り、作業員や周辺住民に影響を及ぼす恐れがあります。

そのため、施工業者は建物等の解体や改修を行う際に、アスベストによる健康被害を防ぐために事前にアスベストが含まれているのかを調査しなければなりません。

2022年4月1日以降に着工する解体・改修工事を対象として、石綿に関する事前調査結果を労働基準監督署・自治体に報告する制度がはじまりました。

以下の条件に当てはまる場合は調査結果を労働基準監督署と自治体に報告する必要があります。

  • 建築物を解体する作業を伴う建設工事であって、当該作業の対象となる床面積の合計が80㎡以上であるもの
  • 建設物を改造し、または補修する作業を伴う建設工事であって、当該作業の請負代金の合計額が100万円以上であるもの
  • 工作物を解体し、改造し、又は補修する作業を伴う建設工事であって、当該作業の請負代金の合計額が100万円以上であるもの
  • 総トン数が20トン以上の船舶(鋼製のものに限る)の解体又は改修工事

調査結果については原則として「石綿事前調査結果報告システム」からの報告となります。

「石綿事前調査結果報告システム」とはオンラインで事前調査結果を報告することができるシステムです。パソコンやスマートフォンからの操作で労働基準監督署と自治体の両方に報告することができます。

石綿事前調査結果報告システムを利用するためには事前にアカウントを作成していただく必要があります。

事前調査の結果アスベストが含まれていた場合は適切なアスベスト飛散防止措置を行う必要があります。

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